病院医療情報システム(HIS)連携版 歯科電子カルテシステムWith

導入事例

社会福祉法人恩賜
財団
済生会支部東京都済生会
東京都済生会中央病院 様

社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部東京都済生会 東京都済生会中央病院 様

カルテ作成とレセプト業務の時間が半減。医科のカルテを共有できるため、
無駄な手間なく、スピーディーかつ的確な医療提供が可能です。

歯科・口腔外科 部長 糟谷 知宏様、医事課 主任 恩田 朋美様、情報システム課 課長 山口 文人様に、
『歯科カルテシステムWith』を導入された背景と効果について詳しく伺いました。

紙のカルテとレセプト業務の手間を削減したい

歯科・口腔外科 部長 糟谷 知宏様

歯科・口腔外科 部長 糟谷 知宏様

『歯科カルテシステムWith』導入前の課題をお聞かせください。

課題は大きくは2つありました。1つは紙のカルテによる煩雑な業務です。
一日平均70人前後の患者さんの診療を行うのですが、その際、前日に予約の患者さんのカルテを用意し、当日の朝に予習するというルーティンを行います。通院歴が長期化すれば、その分だけカルテの分量が増えますから、70人分となると用意するだけ一苦労。毎日の出し入れ作業は本当に重労働でした。
歯科と医科のカルテが紐づいていなかったことも課題でした。そもそも歯科は口腔内の治療がメインのため、他の診療科目とは必要情報もレセプトの点数も異なりますから、歯科と医科とではカルテが分かれていました。ただし歯科の場合、当院の通院歴があれば医科のカルテを借りて確認し、適切な治療法や薬の処方を決める必要があります。
例えば、血液をサラサラにする薬などが処方されていれば、出血を最小限に抑える治療を考慮しなければなりません。しかし、冒頭の通り、歯科と医科のカルテは紐づいていませんから、別々に管理・保管されています。つまり、その都度、医科のカルテを拝借する手間が生じていました。
2つ目はレセプト業務です。With導入前のフローは、まずレセプトと同じような形式の伝票を作成し、その伝票にコードナンバーなどの必要な情報を記入して医事課に提出。医事課ではコードナンバーを入力し、それを会計に出してレセプト作成を行っていました。毎日70人前後の患者さん分のレセプト作成があること、何よりも2年に1回の診療報酬改定や度々ある制度改定ごとに伝票を作り直す必要があることが大きな負担でした。特に診療報酬改定は、ほとんどの項目において微妙に点数が変わるため、大部分を修正しなければなりませんでした。
また、こうしたレセプト業務の負担が大きくなると、どうしても月遅れ請求が常態化してしまう傾向にありました。その場合、記載要領として月遅れ請求と手書きする手間が増え、さらに社会保険診療報酬支払基金からは是正を求められます。
これらの課題があって、早くから歯科専用の電子カルテを要望していました。

『歯科カルテシステムWith』の導入経緯を教えてください。

2014年、当院全体で電子カルテを導入する運びになりました。その際、医科向けの電子カルテに加え、ベンダーがすすめる歯科電子カルテとして導入されたのがWithでした。

『歯科カルテシステムWith』導入前後の進捗状況をお聞かせください。

メディアには、3カ月ぐらい前から操作の講習などの準備期間を設けていただきました。紙とボールペンを使っていた日々だったため、多少の不安はありましたが、オーダリングシステムでPCを操作していたこともあってか、思ったより苦労はありませんでした。

カルテ作成とレセプト業務の時間と手間を大幅に削減

『歯科カルテシステムWith』の効果をお聞かせいただけますか。
<電子カルテの共有ができる>

前述した通り、事前に医科のカルテで基礎疾患や感染症を把握しておくことが歯科では重要ですが、Withの導入によって医科のカルテをいつでも共有・閲覧できる環境が整いました。これにより、無駄な手間なく患者さんごとに適切な治療が可能になり大変助かっています。

<手書きの手間を大幅に削減>

With導入後から周術期の患者さんの診療を行うようになったのですが、周術期の場合、カルテに記載する情報量が膨大になります。With導入後だったから良かったものの「With導入前に周術期の患者さんの受け入れが始まっていたら」と考えると、今さらながら恐怖に感じます。病院歯科の役割として周術期の患者さんの治療にあたるのは重要な使命ではありますが、With導入前であればモチベーションを保つのが難しかったかもしれません。
また、以前は摘要欄の記載要領など、手書きが非常に多かったのですが、それが今はほとんどなくなりました。指導管理料の算定も手書きで渡していましたが、With導入後は文書発行ツールを使いプリントアウトするだけで済みます。しかも、厚生労働省が求める要件に従って正しく記載できるようになり、本当に便利になりました。

<手作業の伝票づくりが不要に>

2年に1回の診療報酬改定ごとにマスタデータが更新されるため、これまで行っていた伝票づくりの手間がなくなりました。このほか、細かな改定の度に手間なく更新されるので「本当に助かっている」の一言につきます。便利になった半面、点数などは覚えなくなりましたね。もちろん、その分は患者さんの診療に注力できますから問題はありません。

<当院に合わせたカスタマイズが可能>

カルテへの記載項目や順番などは病院ごとに異なると思いますが、Withではそれぞれの医院の特性に合わせたカスタマイズが可能です。しかも、導入前のマスタカスタマイズを行っていただいた後でも、日々の診療を行う中で随時マスタの追加・削除・修正などを簡単に行うことができます。使えば使うほど手に馴染んでくる感じがしますね。

<安心のサポート>

導入当初は操作面などで分からないところもありましたが、コールセンターに助けていただいたおかげで無事に運用することができました。有難かったのはWithの操作方法だけでなく、法改正や保険にも詳しかったこと。病院歯科の医療に伴走してくれるサポートだと感じました。

5分かかっていた場合のカルテ作成時間は半分に

『歯科カルテシステムWith』導入による定量的効果をお聞かせいただけますか。

個人的な肌感覚になりますが、カルテ入力に関しては手書き時と比べて半減していると思います。例えば、一人の患者さんのカルテを作成する場合、手書きで5分かかったとしたら、Withの場合2~3分で入力が終わる計算です。かける人数分の時間が短縮できていると思っています。
さらに、レセプトに関してはレセプト内容を担保するチェックシステムが徹底的にフォローしてくれますから、点検業務は大幅に省力化。半減以上の時間を短縮できていると感じています。予約の患者さんの予習についても同様。紙カルテの出し入れが不要になり、PCの画面を閲覧するだけですから、労力と時間を大幅に削減できました。

新型コロナウイルス対策に注力できる

削減できた時間をどのようにお使いですか。

コロナ禍ですから、感染防止のための作業にかなりの時間を割いています。口の中の治療をするわけですから、第三者の方からすると最も感染リスクの高い場所と思われるかもしれません。実際、海外の報道で歯科医院は感染リスクが高い職業のひとつというような指摘があったため、一時は受診を抑制される方も多かったと記憶しています。ところが、私の知るところ歯科医院でのクラスターは発生していません。つまり、それぐらい感染対策をしているというわけです。余った時間は「感染対策を行う」これを徹底しています。
もうひとつあるとすれば、自分の体を休めることです。医療は体力勝負のところがありますから、すべての患者さんに適切な診察と治療を行うためにも「休めるときは休む」を実践しています。

月遅れ請求の際のBPOが不要に

医事課 主任 恩田 朋美様

医事課 主任 恩田 朋美様

恩田様に伺います。
医事課での導入効果をお聞かせください。

2018年10月診療分よりコード記録が義務化されましたが、Withは2020年度診療報酬改定のレセプト記載要領にも対応。
処置入力する段階で先生が必要な摘要をコードに置き換えて医事会計システムに送信するフローでは、正直なところ医事課では何もする必要がありません。することといえば、人的ミスによる入力間違いがないかチェックする程度です。レセプト一枚ずつ摘要コメントの箇所にゴム印で押印し日付を記入する作業は、With導入後は一切なくなりました。おかげさまで、歯科に関わる残業はほとんどありません。
また、以前は歯科のレセプト点検や月遅れ請求に対応できる職員がいなかったため、その作業を外注業者に業務委託していました。 With 導入後は、業務委託をする必要がなくなったため、大きなコスト削減になりました。

不具合はなく、導入も運用もスムーズ

山口様に伺います。
情報システム課での導入効果をお聞かせください。

レセプトが印刷物のときは本当に大変で、夜通しでシステムの改定に携わったこともありました。With導入後、情報システム課はほぼノータッチ。ワーキングは4回で終了し、そのときも重大な不具合などはありませんでした。本稼動後は医事課にお任せで、我々は特に何もしていません。とにかく歯科に特化しているので、導入も運用もスムーズだと感じています。

情報システム課 課長 山口 文人様

情報システム課 課長 山口 文人様

歯科に特化した適正なレセプトを出力できる環境が必要

電子カルテ導入に悩まれている病院歯科に向けて、『歯科カルテシステムWith』を導入したからこそ分かることがあればお聞かせください。

医科と歯科がひとつの電子カルテを使っていると、どうしても「歯科治療ではない病名」が記載されてしまうことが多々あります。不要な返戻や指導監査を予防するためには、やはり適正なレセプトを出力できる環境が必要で、そのためには歯科に特化した専用の算定チェックシステムが整備されているのが理想です。歯科専用のチェックシステムを搭載した歯科カルテをお探しの場合は、病院歯科への導入実績が豊富なWithをお勧めします。

『歯科カルテシステムWith』のシェアアップに期待している

軽快にWithを操作する糟谷様

軽快にWithを操作する糟谷様

最後、メディアに向け今後の期待をお願いします。

歯科審査における保険の解釈は都道府県ごとの差異、支部間差異が少なからず存在します。その解消のため歯科検討委員会が設置されているわけですが、当院としてはWithを通じて一般的な保険の解釈を勉強することができたと思う部分があります。我々としては全国の病院歯科におけるWithのシェア率をさらに高めていただき、Withによる電子カルテが歯科のデファクトスタンダードになることを期待します。ご面倒をおかけすることもあるかと思いますが、引き続きこれからもよろしくお願いします。

お客様プロフィール

社会福祉法人恩賜
財団
済生会支部東京都済生会
東京都済生会中央病院 様
社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部東京都済生会 東京都済生会中央病院 様
所在地
〒108-0073 東京都港区三田1丁目4番17号
常勤職員数
1,283名(2021年4月現在)
許可病床数
535床
URL
診療科名
内科(総合診療・感染症、消化器、呼吸器、神経、糖尿病・内分泌、血液、循環器、リウマチ・膠原病、腎臓、腫瘍)、外科(一般・消化器、乳腺、心臓血管、呼吸器、血管外科)、小児科、精神科(心療科)、皮膚科、脳神経外科、脳血管内治療科、整形外科、産婦人科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、形成外科、歯科・口腔外科、リハビリテーション科、放射線科、放射線治療科、救急診療科、集中治療科、麻酔科、病理診断科、臨床検査医学科、緩和ケア科
明治44年2月11日、明治天皇が時の内閣総理大臣 桂 太郎を召され、「医療を受けられないで困っている人たちが、良い医療を受け、再起の喜びを持てるような施設をつくるように」という趣旨の『済生勅語』と、その基金として御手元金150万円を下賜された。
これを元に伏見宮貞愛親王を総裁とし、桂総理大臣が会長に就任し、5月30日、恩賜財団済生会が創立。その後、大正4年12月、本部直営の基幹病院として当院の前身になる「済生会芝病院」が開設。1950年4月に「東京都済生会中央病院」へ改称。現在「済生会芝病院」時代からの歴史は106年になる。

資料請求・お問い合わせ