導入事例
社会医療法人財団 仁医会
牧田総合病院 様
医科の電子カルテや医事会計システムにダイレクトにつながる
『歯科カルテシステムWith』のおかげで、業務がスムーズになりました。
また、訪問先の施設でもカルテ参照や入力ができるようになり、役立っています。
入院と外来でシステムを分けて運用
歯科部長 田中 裕子様
『歯科カルテシステムWith』導入前の課題をお聞かせください。
当院は2011年に電子カルテを導入しました。当初は医科も歯科・口腔外科も同じ電子カルテと医事会計システムで運用していましたが、やはり医科と歯科・口腔外科では保険請求事務や医療用語が異なるため、歯科・口腔外科のレセプトが正確に処理されていないケースが多発していました。早急に解決しなければならない問題だったため、応急処置的ではありましたが、すぐに歯科専用のレセプトコンピューターを導入しました。
ところが、新たに導入した歯科レセコンでも問題が発生してしまいました。歯科・口腔外科のレセプト作成という観点では問題ありませんが、病院全体から見ると運用面で問題がありました。
もっとも大きな問題は、入院と外来でシステムを分けて運用しなければいけないことでした。
まず、外来運用での問題点として、血液検査や細菌検査、全身麻酔等のオーダ依頼内容を電子カルテに入力した後、歯科レセコンにも請求・レセプト情報として再度入力する必要があったり、訪問診療先で診療した内容は病院に戻って来てから夜間に処置を入力したり、といった手間が新たに生じてしまったのです。
また、入院運用での問題点として、導入した歯科レセコンは入院患者のレセプト作成に対応していなかったため、既存の医事会計システムを使用する必要があり、結局、請求業務を行う際には、医事会計システムを使用し、カルテも外来と入院で二重管理となってしまったのです。
応急処置的に導入したとはいえ、医療業務への負担が大きかったため、歯科レセコンのリースが終了する際、2019年にシステムを再検討することになりました。
新たな歯科システムを導入するにあたり、比較・検討はされましたか。
歯科・口腔外科に特化した3つの歯科システムで比較・検討しました。ひとつは既存の歯科レセコンをバージョンアップし、電子カルテとして利用する方法です。残り2つは新規メーカーの製品で、そのひとつがメディアのWithでした。
『歯科カルテシステムWith』は既存システムとダイレクトに連携できる
口腔外科部長 根本 敏行様
3つの製品から『歯科カルテシステムWith』を選定した理由をお聞かせください。
これまでのデータを利用できることを考えると、既存の歯科レセコンをバージョンアップする方法がスムーズかと思いましたが、バージョンアップしても医科の医事会計システムにはダイレクトにつながらないとのこと。歯科システムとしての機能は強化できますが、もっとも重要な連携の面はこれまでとあまり変わりません。
これに対しWithは、医事会計システムにも医科の電子カルテにもダイレクトに連携が可能。当然、医事会計システムと医科の電子カルテも連携していますから、この3つのシステム間でスムーズなデータのやり取りが期待できます。また、Withは総合病院、大学病院の歯科・口腔外科への導入実績が豊富。「できること」「できないこと」を正直かつ丁寧にお話いただいた、メディアの誠実なプレゼンテーションにも感心しました。これらにより、我々はWithを信頼できるシステムだと捉え、歯科・口腔外科の歯科システムとして導入することにしました。
訪問診療や歯科検診でも活躍
歯科衛生士 奥山 照子様
『歯科カルテシステムWith』の導入効果をお聞かせいただけますか。
<歯科・口腔外科のレセプト作成業務を医事会計システムで一本化>
Withを導入してから、レセプトの作成業務を医事会計システムで一本化することができました。Withからダイレクトで医事会計システムに連携できるため、会計処理もスムーズになりました。もちろん、入院患者の請求業務をはじめ、血液検査、細菌検査、全身麻酔といったオーダ等も二重入力する必要は無くなり、医事会計システムにて一本化して請求が可能。歯科・口腔外科における業務のすべてがスムーズになりました。
<双方向で閲覧できる電子カルテを実現>
以前は、歯科・口腔外科からは医科の電子カルテを参照することはできましたが、医科から歯科・口腔外科のカルテを参照することはできませんでした。With導入後は、Withに登録した診療記録や部位病名が医科の電子カルテに反映され、診療録が統合されたことにより、患者さん側に立った適切な医療を提供する環境が整いました。我々としても、医科との横のつながりを構築できたという点で、Withは非常に良いシステムだと感じています。
<懇切丁寧なメディアのサポート>
システム導入準備段階で、歯科医師と歯科衛生士それぞれ個別にトレーニングを実施していただき、操作に関しては大きな混乱もなく、スムーズに導入することができました。また、稼働後に困ったときには、電話をすればいつでも懇切丁寧に教えてくれます。必要に応じ訪問してサポートをしてくださることもあり、メディアのサポートは本当に素晴らしいと実感しています。
<訪問先からもカルテ参照・入力できる>
当院では、関連施設である牧田リハビリテーション病院と介護老人保健施設 大森平和の里の2カ所に週一回、訪問診療を行っています。病院の診察室のデスクを離れてしまうため、以前は訪問時に紙カルテを持参して診療を行っていました。With導入後は訪問先から院内の電子カルテに入れるようになり、その場で入力が可能。毎回紙カルテを準備して訪問する必要がなくなり、利便性は飛躍的に向上しました。
さらに併設の人間ドック健診センターと連携し、医科健診のオプションとして歯科健診(歯周病健診)も行っているのですが、これについてはカスタマイズで歯科健診結果を登録できる機能を作成していただきました。歯科健診データを蓄積できるシステムにしていただいたおかげで、前年度の健診データを参照しながら診察することができます。受診者一人ひとりに適切な診療を提供することができ、とても助かっています。
病院の移転後も『歯科カルテシステムWith』を継続して利用
人事部付 新システム導入班 課長 畑 政幸様
2021年2月の移転の際、医科の電子カルテを刷新したと伺っています。
おっしゃる通り、電子カルテと医事会計、そしてオーダリングが一体化したシステムにリプレースしました。今までの環境は電子カルテとオーダリングは一緒のシステムでしたが、医事会計が別のシステムだったため、若干、作業が煩雑になるところがありました。すべてが一体化した現在は、連携を考える必要がないため、とてもスムーズになりました。ただし、Withだけはそのまま継続して利用しています。
新たな電子カルテは、歯科・口腔外科の電子カルテをオプションで付けることができると伺いました。
確かに歯科・口腔外科の電子カルテをオプションで付加することができました。しかも、安価だったため、我々も思案しました。最終的にWithの継続利用を選択したのは実績です。総合病院や大学病院への導入実績は十分、そのなかでWithは歯科・口腔外科の歯科システムとしてブラッシュアップされてきました。我々もWithを使って、実績に裏付けされた機能や使い勝手に納得しています。
新たな電子カルテは全体で見れば素晴らしいシステムだと思いましたが、歯科・口腔外科機能に必要な機能だけを見てしまうと不安がありました。やはり、未知数の電子カルテでゼロから業務を構築するのは避けたいと考え、Withの継続利用を選択させていただきました。
刷新された電子カルテとの連携はできましたか。
Withから送られてきたデータが正しい電子レセプトコードに反映されないなど、いくつかの問題が発生しました。3カ月ほどバタバタしてしたと思います。最終的にはメディアにイニシアティブを取っていただき、無事解決することができました。この解決に向けた施策の推進力に、あらためてメディアのWithにして良かったと実感。現在のシステムは、我々はもちろん病院全体から見ても理想的なHIS(Hospital Information System)に近づいていると思います。
導入後の日常業務に関わる人的コストを抑えられる
すでにWithの操作には手慣れている
電子カルテ導入に悩まれている病院歯科に向けて、『歯科カルテシステムWith』を導入したからこそ分かることがあればお聞かせください。
総合病院や大学病院の歯科・口腔外科では、医科の電子カルテを使っているところが多いと聞いています。しかし、歯科・口腔外科は部位や病名、レセプトが医科とは異なりますから、使いにくいのではないかと思います。
その点、Withは歯科・口腔外科に特化した情報が最初から網羅されています。既存の電子カルテや医事会計システムとの連携もスムーズです。医科の電子カルテもダイレクトに参照できますから、例えば、入院患者の手術日に合わせてマウスピースをつくる際も、その場ですぐに確認可能。こうした連携は、より良いビジョンを提供できるという点で何よりも患者さんのためなると考えます。
総合病院や大学病院が歯科・口腔外科に特化した電子カルテの導入に踏み切れないとしたら、コストに問題があるかもしれません。
確かにイニシャルのコストはかかります。当院も、そのコストをどう経営側に納得させるかが障壁でした。しかし、導入後の医科との連携やレセプトのことを考えたら、人的リソースや時間は大幅に削減できます。さらに、入力や処理の手間も大幅に高速化できるため、より多くの患者さんを診察することが可能になります。日常業務に関わる人的コストはかなり抑えられると思いますので、中長期的な視点で見ればコスト削減につながると我々は考えています。
最後、メディアに向けて今後の期待をお願いします。
メディアには、Withのシェアをさらに高めていただくことを期待しています。シェアが高まってくればWithのコミュニティが形成され、他病院と情報共有なども図れるのではないかと考えています。そういった支援も含め、これからも引き続きよろしくお願いいたします。